2014年 5月 連休 (4月日〜5月3日)

鳥たちの住宅事情は‥
4月29日(火)
待ちに待った廻り目平でのキャンプシーズン到来。そして、廻り目の春というと一番に会いたい鳥、ゴジュウカラの声で目覚めることが出来たのはとてもうれしかった。
午前中は居場所が分からなかったが、午後になって再度「どこで鳴いているのだろう?」と探してみると、テントからかなり近い場所にいた。しかも、ただ鳴いているだけでなく、白樺にできた穴に首を突っ込んだり出したりしている。しばらくしてそこから居なくなったが、その1時間後またやってきて穴の中に入ったり出たりは同じだった。その穴は、2年前にアカゲラが子育てをした巣穴だった。鳥の中には他の鳥が作った巣穴をそのまま使って巣にするものもいると聞いたことがある。もしかしたら、そういう巣作りかな?としばらく見守ることにする。

4月30日(水)
一日中雨だったせいか、ゴジュウカラは白樺にやってこなかった。雨でも活発に動き回るルリビタキには何度も対面できた日だった。

5月1日(木)
雨も上がり、今日も目覚めは鳥たちの鳴き声。6:45頃またゴジュウカラの声が聞こえたのであの白樺の木まで行って見た。やっぱり例の穴のところをつついている。今日は特に入り口のところを何度もつついては、何となく後ろを気にして振り返っている。それから午前中ずっと1時間ごとに同じ様子がみられた。穴をつついている間も「フィーフィー」という鳴き声が聞こえている。くちばしで木をつつきながら鳴くなんて器用なことができるかな?それとももう1羽どこかにいるのかな?と周りを探してみるがどうも見つけることが出来なかった。午後も同じように声が聞こえたので、何度かやってきていたようだ。

…空き巣事件にあう…
16:20〜16:40、スープの材料ベーコンを切って、ゴジュウカラを見ようとその場をはなれた。もどってきたところ、先ほどまできれいだったベーコンの表面に小さな穴が開いている。薄切りのベーコンが5枚重ねて切ってあったがその穴は、2枚目、3枚目とめくっていくとだんだん小さくなってくる。
ベーコンをとるために使っていた割り箸も傷がついている。もしかしたら、ちょっと離れた間にこのベーコンをつつきにきた鳥がいるかも…テントにもどる時に出会ったルリビタキかな…?…

5月2日(金)
午前中、砦沢の入り口まで散歩に行ったため、ゴジュウカラの様子は見ていない。午前中のトピックスは散歩に出かけようとしてテントから少しあるいたところで、コルリが囀りながらとんでいて、1メートルほど離れたところまでやってきたこと。午後テントにもどり、昼食を済ませた後、またゴジュウカラの様子をみる。14:00頃、また、穴をつついていた。そばにもう1羽いた。突然そこにアカゲラがやってきた。その穴にむかうような勢いで。ゴジュウカラはアカゲラを追い払おうとつつきにかかる。もう1羽のゴジュウカラも一緒に。何度も何度もつつき合うようにしてぶつかった後、アカゲラは退散した様子だった。が、ゴジュウカラはその後一度その穴に半分くらい身体を入れてすぐ出た後、どこかにいってしまい、やってこなかった。それまであまり気にしていなかったが、廻り目に来てからの3日間あたりではアカゲラが「ケンケン」と鳴きながら飛び回っていた。やってきたのはこの白樺の穴が自分のものと主張するためだったのだろうか?それともただちょっとつついてみようというくらいの感じだったのだろうか?
夕暮れ時、この3日間ではじめてアカハラの囀りを聞いた。(それまでも姿は見ていたが)

5月3日(土)
いつもより早めに4:30頃、テントを出てみる。アカハラ・コガラ・ヒガラ・コルリそしてここに来て初めて聞くウグイスの声と共にゴジュウカラの声も聞こえているが、あの白樺の木の穴に何かが潜っていったのは6:15頃。潜ってしばらくしてから何かをくわえてサッと飛んでいくものが見えたが、それがゴジュウカラかどうかはあまりに速くて確認できなかった。その後も1時間ごとにその白樺あたりから「フィーフィー」という声が聞こえた。そして9:15、あの穴の中になんとヒガラが入っていった。そして、口に何かをくわえて出てきた。それをどこかに置いてくると、今度はその穴を4日前にゴジュウカラがやっていたようにつついている。それから、もう一度中に入ってからしばらくして出てきた。ゴジュウカラの「フィーフィー」という声も聞こえているが…。

この数日間、この白樺の木の穴にはゴジュウカラ・アカゲラそしてヒガラと3種類もの鳥がやってきた。一番何度もやってきたのはゴジュウカラ。気になるのは巣を作っていた途中だったのか、それとももう雛もいたのかということ。姿は見えずに聞こえた「フィーフィー」という声は、もしかしたら穴の中にいた雛の声かもしれないと思ったから。でも、そうしたら何故ヒガラがその穴に入っていったのか…そんなことを気にかけながら廻り目を離れていったのはそれから1時間後。もし、この穴を3種類の鳥たちがみな巣にしようと思っていたなら、廻り目の鳥たちの住宅事情はよほど悪いのだろうか。廻り目を去ってもまだ気になっている。

<もう一つの巣作り?コゲラ>
こちらは、5月2日夕方から始まった。何年も前から気になっている朽ちた木にやってきて猛烈な勢いで穴を作り始めた。日暮れになっていったんやめたようだが、翌朝もまた穴を掘っていた。丁度連休後半に入りキャンプ場には人が沢山入ってきた。その木は水場も近く人通りの多いところ、人がやってくるとコゲラはその場を離れていた。果たしてこちらは巣として成立するだろうか…

<確認できた鳥>
キジバト・アカゲラ・コゲラ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・エナガ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ
ゴジュウカラ・ホオジロ・カケス・ハシブ・トガラス

 2013年 5月 連休 (4月28日〜5月3日)

例年になく寒い連休。雪がちらついたり霜柱が立っていたり。それでも鳥たちは元気に春を迎えているようだった。

<ゴジュウカラの鳴き声は>
今年も廻り目に来て一番に会いたいなと思ったゴジュウカラ。テント場につくなり「フィーフィー」と迎えてくれた。姿を見つけるのは相変わらず難しいが、とにかく朝の4時45分頃に鳴き始めて私の目覚まし時計になってくれた。何年もつきあっていながら今年になって「そういえば‥」と気づいたことがある。今のところ、聞き分けられる鳴き方は3種類。「フィーフィー」とゆっくり連続した鳴き方、「フィー○○フィー○○」と途中に隙間のある鳴き方、そして、「フィフィフィフィフィフィフィフィ」とけたたましい鳴き方。この最後の鳴き方の時は、飛び方も忙しくあちこちと木をつついてまわっている。だからか 一緒に「トントントントン」と木をつつく音がきこえてくる。この音は初めて気づいた音だ。これが本当にゴジュウカラの出している音なのか、それとも他の鳥なのか(「トントントントン」と木をつつく音は姿を見ていない時だけ聞こえていたので)しっかり確認はできていないが、そうだとしたらいかにも忙しく餌をとっていることを知らせるような音。3種類の鳴き方、それぞれ意味があるはず。その意味もわかるようになりたいものだ。

<アカゲラのドラミングは>
ゴジュウカラの囀りと一緒に私の目覚まし時計になってくれたのがアカゲラのドラミング。「コロロロロロロロロッ コロロロロロロロロロッ」と続ける時もあれば、「コロロロロロロロロッ○○○○○ コロロロロロロロロロッ○○○○○」と間をおいている時もある。20回続けている時があると思えば、2回で終わってしまう時も。以前、偶然にこのドラミングをしている姿を見たことがあるが、いざドラミングを聞いてその姿をさがそうとすると実に難しかった。4日間、聞こえる度に探しに行ったがその姿が見えない。見かけるのは飛び立つ姿だけ。5月2日もそんな感じで「あーあ、また飛んじゃった」と思ったが、ふと気づいたことがあった。今までドラミングしていたらしい場所に枯れ木が何本もあること。そういえば、昨年アカゲラの巣を見つけた時、野鳥にも木にも詳しい村の方がアカゲラの巣がある白樺をさして「じゃあ、この木枯れているね」といわれていた。そうか、あのドラミングの音が軽やかなのも、もしかしたらたたいているのが枯れている木だからかもしれない。そうだとしたら、もう一度この辺でドラミングするかもしれない。そこで、最終日の5月3日 ドラミングの音が聞こえると早速その場所に行ってしばらく待った。2回ほど「来ては去り 来ては去り」が続いた後、ついに勢いよくドラミングしている姿を発見!たたいているのはやっぱり枯れた白樺だった。すると、そのドラミングを聞きつけたようにもう一羽アカゲラが「ケン ケン」と鳴きながらやってきてドラミングしていたアカゲラと一緒に飛んでいった。一度「ケン ケン」という声を聞いてアカゲラを探した時、2羽が一緒に飛んでいくのが見えた。もしかしたらあの2羽はカップルかなあ。そうしたら、この周りに立っている枯れ木のどれかにまた巣ができるかもしれない。今度廻り目に来た時もこの辺を一度覗いてみよう。

<久しぶりに会ったキバシリ>
5月1日、午前中はすっきり晴れてパノラマコースから金峰山もよく見えた。午後少し日が陰ってきたが、コルリが何度もテント場にやってきたのでその姿をゆっくり眺めていつの間にか日暮れ時になってきた。その時、木をつつきながら上って行く鳥の姿が見えた。コゲラかな?でも何だかちょっと違う。さっき確認したコゲラの頭はどちらかというと二等辺三角形。でも、この鳥はくちばしが細くとがっている。木の上の方まで上って飛ぶと次は必ず違う木の根元にとまってそこから上り始める。「えーっと えーっと」と思い出してもなかなか名前が出てこない。図鑑を調べてやっとわかった。キバシリだ。この鳥に初めて会ったのは何年前だろう。それからずっと会っていなかった。本当に久しぶりだったね。

今回は鳥たちを探しながら、数多くの出会いと気づきがあった。朝、囀りに目覚めてテントを出る。見上げるとその先に日ごとに変わっていく月の姿があった。
その時間の空は晴れていてもまだ薄く灰色がかった水色。太陽が山の端から顔を覗かせたとたんその色が群青色に変わっていく。その変化の見事なこと。そして、「どこかなあ どこかなあ」と木を一つ一つ探っていると実にその木の姿がよく
見える。まだまだ全く葉のついていない木の幹はそれだけで立派に個性をもったものだ。アカゲラのドラミングする姿を探して気づいたたくさんの枯れ木。そこには、鳥たちがつついた跡がたくさんあった。そして、「それでは他の枯れ木はどうかな」と他の場所でも枯れ木を見てみる。すると実に様々な苔やキノコがついていて一本の枯れ木の中に一つの世界が出来上がっている。今年はそんな枯れ木を探すのもおもしろいなあ。そんな気づきがあった5日間だった。

<この連休に確認できた鳥>
キジバト・アカゲラ・コゲラ・ルリビタキ・アカハラ・エナガ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・キバシリ・ウソ・シメ・カケス・ハシブトガラス

 2012年 7月 夏 (7月30日〜7月31日)

<キセキレイの子育て>
7月18日(水)
林道沿いの河原に立ち寄ったところ、目の前にキセキレイが飛んできた。人間がいるというのに、逃げるというよりもまるで怪我をしているようによたよた歩き、自分の姿に注目させている様子。いったいなにがあるのだろう?ときょろきょろしてみるとあった!近くの岩の苔の隣に枯れた草で作ったような小さな巣。そして4つの卵。そういえば、鳥のこんな行動について聞いたことがあると思い出した。この卵はこれからどう育っていくのだろう。

7月19日(木)
昨日の卵がどうなっているか気になり、足を運んだ。
なんと、早くも孵化している。
近づくと何でも親と間違えるのか、くちばしを開いて「餌をくれー」という様子だ。
7月23日(月)
一時自宅に戻ったが、また廻り目に来たので早速立ち寄ってみる。
だいぶ大きくなった。まだ羽が生えていない。
7月24日(火)
昨日よりまた少し大きくなった。
7月26日(木)
毛がふさふさしてきた。4羽とも元気。
7月27日(金)
日ごとに大きくなる様子。毛が黒くなってきた。
7月28日(土)
何故か、3羽いなくて1羽だけ残っていた。
7月29日(日)
残った1羽が歩いて巣から出ようとして、岩の下に落ちてしまった。拾って巣にあげるが、また巣から出ようとして歩く。

…………ここまでは人から聞いた話だ。…
7月30日(月)
さて、その後キセキレイの子はどうなったか、やはり気になったので、巣を訪ねてみた。
藪から河原に出ようと脚を運ぶと早速「チチッチチッ」と何か警戒しているような鳥の鳴き声。巣を訪ねる度にそういう声が聞こえたと言う。おそらく、まだ巣には雛がいて警戒しているのだろうと巣のところまでそっと脚を運んだ…が、そこには何もいなかった。では、どうしてなんだろう?声の主はどこにいるんだろうと探してみる。どうも対岸から声が聞こえてくるようだが、なかなか姿が見えず、30分以上経ってようやく1羽発見。喉も頭も真っ黒。しばらくして、もう1羽発見。そちらは、頭が灰色。喉も黒くない。何だか羽も薄い色。喉が黒い方は明らかに親鳥だが、そちらが雄で灰色は雌?それとも雛がそこまで大きくなったのだろうか?いや、巣立ちには3週間必要というし、まだ飛べるはずもないかも…と色々考える。木の陰に隠れて1時間ばかりじっとして動かないでいるとこちらの岸にもちらっとやってきたり、川の上にも降りてみたりしていた。が、私が岩の上に姿を現したとたん、また対岸に行って鳴き始める。そして、ある場所に近づくと騒ぎはさらにひどくなる。この辺に雛がいるのかな?と思い、また1時間ばかり探したが、何も見つからなかった。

7月31日(火)
今回の廻り目滞在は今日まで。やはり、どうしてもキセキレイの雛のことが気になり、足を運んでみた。
河原に出ると、またまた「チチッチッ ピッ」という声。昨日よりも下流に出たつもりだったが、昨日大騒ぎになったところにかなり近かったことに気づいた。
ちょっと木陰に隠れて様子をみた。5分ほどで鳴き声か収まったかと思うと、また違った鳴き方をしたり、元に戻ったり、その状態が10分くらい続いた。鳴き声も収まったので、少し場所を移動してみようと、藪の中に戻った。そして、川の中の岩に段差があり、流れが一つ落ちるところまで下がってみた。岩の上に出てみたが、鳴き声はしない。そこで、川に沿って岩の上を少しずつ上っていった。昨日とさっき鳴き声がしたところまでくると、また「チチッチッ ピッ」という声。対岸に頭と喉の黒いキセキレイが見えた。昨日から藪の中を探しても何も見つからなかったので、ひとまず、川沿いに岩の上を上り続けることにした。ところどころ、渡りにくいところもあったがどうにか、一段流れを上がると、親鳥らしい鳥の鳴き声がますますけたたましくなった。目の前にある大きな岩はどうも真正面から登れそうもないなと思ってその岩の上に首だけ出してみた。すると、何か藪に近いところにちらっと見える。双眼鏡で見ると、まるで、ネズミの顔みたい。確かに生き物であることはわかったので、その岩に藪の方から回り込んでみた。
すると…灰色の小さな鳥。手のひらくらいの大きさだ。対岸の鳥の騒ぎはますますけたたましい。これこそ、雛に違いない。しばらく眺めていたが、騒ぎがますます激しくなったのと、「巣からどのくらい離れているのかな?」と気になったことから、巣の場所まで上ってみることにした。巣のところについてふと足下をみると、そこには1羽の死骸があった。落下して死んでしまったのか、それとも他の要因があったのかそれはわからない。だけど、さっき見た雛は生きていたよね。と元の場所に戻ると いない! しばらくじっとしていたのに実は飛んだかな?
と思って、もう少し先を見ると、さっきの雛がなにげなくちょこんと座っている。ちょっと岩の縁に近づいているので、こっちも落ちないかなと気にはなるが、こちらが動いて驚かせるとかえって危ないので、そのまましばらく見守り、写真に収めて終わった。さて、対岸にいた頭と喉の黒い親鳥らしい鳥は、こちらがどう動くか気にしてあちこちに動き、ついには岩の上まで出てきた。また、違う岩の影からもう1羽何か飛び、対岸の岩陰に隠れた。それも雛なのか、それとも少し茶色っぽいのでミソサザイか何か他の鳥なのか、それはわからなかった。でも、すでに1時間くらい雛を眺めたり巣との間を往復したりしていたので、これ以上刺激するのもよくないと思い、その場を立ち去ることにした。親鳥が子どものことを諦めないで、育ててくれることを祈りながら。

 2012年 6月 梅雨 (6月29日〜7月1日)

<アカゲラの親子>
29日の夜、またもヨタカの声に出迎えてもらい、そして、次の日、6月も終わりという日曜日の朝6時半頃、梅雨の真っ最中とは思えない明るさで目覚めると、「ケケケケケ」というけたたましい鳴き声がしていた。なんだろう?とテントの裏をあけて見回してみるが、何も見えない。鳴き声からするとアカゲラらしいのだが。しばらくして声も途切れたので、「ああ、こんなに木の葉が茂っていたら、鳥はみえにくいなあ」と一度テントで横になり、しばらくして起きて水場に顔を洗いに行った。と、川の方からホトトギスの声。これも遠そうだなあと思いながら、少しばかり下ってみた。やはり、声はすれども姿は見えず。何でも見つけるのはなかなか難しい。途中でレンゲツツジが咲いているのに出会えたのが収穫だとありがたく感じつつ、再びテントに戻ろうとするとまた、「ケケケケケ」本当に近くに聞こえるのに姿は見えない。(もう、8時半くらいになっていた)それでも、あまりに繰り返されるので声をたどっていくと、ある白樺の木の根元でこれまでよりいっそう近くに鳴き声が響いてきた。この木にいるのではないかなと何度も何度も梢を見上げる。だが、何も見えない。近くにテントを張っていた人も、通りかかった人も「何かいるんでしょうかね」というだけ。

そうしているうちに、何だか声が木の中から聞こえるような気もしてきた。そこで、双眼鏡で白樺の根元からてっぺんまでずっと探ってみた。すると、一本の木に穴が三つも開いている。「もしかしたら、これ、アカゲラの巣?」と思い、何度も何度も穴をじっと見た。何も見えないが、声は何度も何度も響いてくる。じっと待つこと1時間、一番上の穴から何かが覗いた。そう、アカゲラの頭だ。ちょっと覗くとまた引っ込んで、また鳴いて、それから覗いて…そんな動作の繰り返しだ。身体が出てくることはない。ひょっとしたらこのアカゲラは雛で親が餌を持ってくるのを待ってるのかなあ。でも、親はやってくる気配もない。覗いたアカゲラの頭は、もうすっかり成鳥といっても良い大きさだ。もしかしたら、親は近くにいても餌を運ばないで巣立つのを待っているのかなあ。そんなことを思いながら30分くらいしたときに、近くに親らしい鳥が飛んできた。鳴き声も同じだが、しっかり姿が見えたわけでなく影だけ確認できたのだ。そして、20分ばかりすると、雛もいったんなきやんで引っ込んだ。と思ったらすぐ後に(10時半頃)親鳥がやってきてしっかり雛に餌をやっていた。こんな近くで親鳥が雛に餌をやるのを見たことなんか無い。私にとっては感動の一瞬だった。それから鳴き声はしばらく続くとやんで、またしばらくすると聞こえると言う状況が続いた。そして、それから2時間くらいの間に2度ほど餌をやるところも確認できた。でも、そんなにしょっちゅう餌をもらっている様子でもない。だから、本当に巣立ちが見られるのではないかと食事をしながらも他のことをしながらも気に掛けていたが、やはり鳴いたり鳴くのをやめたり、覗いたり引っ込んだりがずっとずっと日暮れまで続き、やがて、日暮れと共に声も聞こえなくなった。

翌朝、やはり5時半くらいから声が聞こえ、姿も確認できた。鳴いたり鳴くのをやめたり、覗いたり引っ込んだりという状況は私がキャンプ場から去る10時くらいまでずっと続いていた。とうとう、巣立ちは見ることが出来なかった。キャンプ場を出るときも何だか立ち去りがたく、白樺の根元まで行ってしっかりとさよならをして、キャンプ場を出た。今度廻り目に来るときにはもう、巣立っていることだろう。元気に暮らしてね。そんな思いで手を振った。
*このアカゲラと一日つきあったおかげで、テントの近くにやってきたキビタキにも会えた。「チッチロリン」という初めて聞く声をたどっていくことで、見つけることが出来たのだ。姿を確認できて、とてもうれしかった。
<確認できた鳥>
キジバト・ホトトギス・ヨタカ・アカゲラ・コゲラ・アカハラ・ウグイス・キビタキ・コルリ・コガラ・
ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ハシブトガラス

 2012年 5月 初夏 (5月20日〜21日)

<夏が来た>
久しぶりにとまる廻り目。夕暮れと気になると、いつものようにアカハラ…と思っていたら、「キョキョキョキョキョ」…ヨタカだ!そして、少し経つと「ジュウイチ、ジュウイチ」そうだ、廻り目にも夏がやってきた。

<金環日食、鳥たちも静まりかえって>
21日、日の出がはっきりわかるほど、晴れ渡った空、そこにもう一羽、夏を告げるツツドリの「ボボッボボッ」という声、もちろん、そこに他の鳥も加わって普段と同じ合唱が始まったかと思いきや、日食が始まった7時15分頃、次第に鳥の声も静まった。日本中を賑わせた日食。「そうか、日食ね」と思っていた私は、日食観察用のグラスなど用意していなかった、が、太陽を見なくてもその翳りで「そうか!日食ってただ曇るときとは違った感じなんだ」と感じるほどの世界の変わり方だった。(運良く、金環日食を撮影しようとやってきた方から、撮影のために太陽を見るためのサングラスのようなものを借りて、美しい金色の輪に驚嘆することが出来た。貸してくださった方、ありがとうございます。)さて、その翳りが終わる7時40分頃、テントの裏から大きなドラミングの音が聞こえて来た。
それに続いて、これも夏の到来を知らせるようなオオルリ、コルリの声…鳥たちが一斉に鳴き始めた。鳥たちも訳のわからない陽の翳りにきっと驚いていたことだろう。

<昼間のテント場では>
この日の大きな目的は屋根岩五峰に行くこと。五峰は、なかなか険しく時間もかかった。けれども、それ以外には脚を運ばなかったので、10時半過ぎにテント場を出ても帰ってきたのは、1時台だった。テントが見えてきたところで大きな鳥の影、声からしてカケス。それから少し進むと、私のパートナーが「あの、黄色い鳥なんだろうね」急いで双眼鏡を向けてみた。なんと、キビタキが地面に降りてきている。普段は一生懸命木の上を探してやっと見つける鳥なのだが、こんな風にひょっこり出会えるなんてラッキーだ。それから数メートル進んだと思ったら、目の前から美しい羽を広げてカケスが飛び立った。テントについてお茶を始めてからもカラの群れが目の前を飛んでいく。「あれは、コゲラだよね」の声に再び双眼鏡を取り出して探してみると、それはゴジュウカラ。ゴジュウカラにしかできない木を降りるところもはっきりと見ることが出来た。このゴジュウカラ、なにげない姿の中に醸し出している上品な色合いが気に入っていて、声で確認していてもシーズンに一度ははっきりと見てみたいと思っている。昼間ののんびりしたキャンプ場で会えるなんて、これもラッキーだとしか言えない。人が出かけた昼間のキャンプ場。そこには、普段追いかけてもなかなか会えない鳥たちが遊びに来ているようだ。

<確認できた鳥>
キジバト・ジュウイチ・ツツドリ・ヨタカ・アカゲラ・コゲラ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・キビタキ・
オオルリ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ホオジロ・カケス・ハシブトガラス

 2010年 5月16日

<ウグイスが鳴いた>
朝、4時30分、ちょっと目を開けると、鳥のさえずりが聞こえてきた。そうそう、ここは廻り目平。そう思っていたら、「ホーホケキョ」連休には聞こえなかったウグイスの声。そろそろ起きようかなと思うが、前日は寝たのも遅く、そして、それまでの疲れもあってもう少し寝ることにした。

<そして、オオルリ、キビタキも>
6時過ぎ、ようやく起きて、さあ、ちょっと出かけよう。今日はどっちに行こうかなとテント裏まで足を運んだ。すると、親指岩の方からオオルリの声が聞こえた。少し遠いので会えるかどうかわからない。とはいえ、以前も親指岩付近でオオルリにあったことを考えると行ってみる価値はある。ということで、出発。しばらく歩く。まだ、親指岩まで半分くらいしか来ていない時、目の前に一羽の鳥が…そして、木の枝に留まって囀り始めた。でも、その声はさっきのオオルリの声とちょっと違う。「チョロチュリ、チリチョリ」といった感じ。おなかが黄色、背中も黄色、羽は黒い。そして、鳴いては飛び、また、違う木に留まっては鳴く。
その鳥を追っかけて10分くらい。かえって図鑑を調べたところ、どうやらキビタキだったらしい。だけど、あまりに見とれていたので、オオルリの声は、聞こえたり途絶えたり…そして、親指岩まで行ったけれど会えなかった。

<たくさんの囀りが…>
谷間に降りて、カケスに会い、テント場ではホオジロに会った。ルリビタキは低いところを飛びながら「ヒッヒッ」と鳴き、遠くではコルリの声やゴジュウカラの声も聞こえた。そして、勿論朝一番に鳴いていたウグイスやさっき会ったホオジロの声も…いよいよ廻り目平にも春の到来だ!

<確認できた鳥>
キジバト・アカゲラ・コゲラ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・キビタキ・オオルリ・コガラ・
ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ホオジロ・カケス・ハシブトガラス

 2010年 5月連休(4月29日〜5月3日)

<ルリビタキは今年もスズメのよう>
今年の天候不順はこれまでと全く違う。「昨日は夏」と思ったら「今日は真冬」こんな寒さの中、鳥たちは活動できるのかな?と心配しながら廻り目平にやってきた。けれども、心配ご無用。ルリビタキはやはり都会で見るスズメのように、飛んでいた。鳥たちは、気温の変化よりも、日照時間で活動を決めるのかもしれない。

<カケスは「ポロロロ、ピリッ」と鳴く?>
テントの裏に足を運び、藪の中を少し進むと駐車場側でがさがさ音がする。そして、「ポロロロ、ピリッ」ととてもかわいい声が、ジャージャーというカケスのような声に混じっている。どこかな?どこかな?と一生懸命探してみたが、なかなか見つからず、ついに3〜4羽の鳥が、飛んでいった。大きさから言っても色から言ってもカケスのようだが、本当に「ポロロロ、ピリッ」と鳴くのかなと疑問に思う。

<アカゲラのドラミング>
カケスと思える鳥を発見してからまた少し進むと、また大きな鳥の影、すぐそこにいるが、ちょっと木に隠れかけている。あわてて双眼鏡を取り出してみると、何と!アカゲラがドラミングしている。久しぶりに見たそのドラミング。他の鳥は気にせず、ゆっくりと見ることにした。こちらはゆっくりでも、アカゲラは大変忙しいらしい。木をつついては頭を離し、またつついては離れ、何度も何度も繰り返したと思ったら、すぐ次の木へ、そして、「もっと姿が見たいなあ」と思っているのにヒョイヒョイ飛んで視界から離れていった。

<ゴジュウカラをさがして>
「フィーフィーフィーフィー」というゴジュウカラの声。そして、更に忙しく「フィフィフィフィフィフィフィフィ」、今回、この声が聞こえる時は、必ず誰かと話していたりして見つけに行くことが難しかった。それでも、会いたいなと思って朝の散歩では耳を澄ましていた。散歩で砦沢まで行き、も、テントにたどり着くという時に、また、あの声が。「今度こそ、会いたい!」と立ち止まった。
しばらくして、鳴き声が聞こえなくなったと思ったら3メートルくらい先の地面に何かがいる。双眼鏡を当ててみると、「やっと会えた!」ゴジュウカラだった。
地面で餌をつついているようだった。どんどん私の位置から離れていき、ちょっとした地面のふくらみに隠れてしまった。やっと会えたのだから、今回は「これで良し」としなければ、とまた、テントに向かった。

<これで、鳴くのはやめようかな>
キャンプ初日、お風呂から上がって夕食準備をしていたらキャランキャラン…アカハラの声だ!…そして何度か鳴いた後、チチチチッジュリッ!そして終わった。
囀りにも終わりの合図があるようだ。

<2度も会ったキクイタダキ>
ゴジュウカラの声が聞こえて、「見つけに行こう」とテントを出た。今日は裏からと思って、ちょっと上を見上げると、何か小さな鳥がちらっと見えた。何だろう?と急いで双眼鏡を当ててみる。すると、頭の上にちらっと見えたクリーム色、その大きさと言い…キクイタダキだ!ずっと前、パノラマ遊歩道の脇の小川で見つけたことがあるが、それっきり会ったことがなかった。珍しいなと思いつつ、今回はこれっきりかなと思っていた。そうしたら、その次の日、砦沢まで行った帰りに、また、見つけた。それも一羽でなく、二羽も。ヒガラやコガラの群れに混じってくるようだ。2度も会えるなんて思わなかった。

<アトリがコガラの群れに>
砦沢入口からの帰り道、テント近くの藪をしばらく歩くと、行こうとする方向にアカハラが…しかも、餌を食べているようだったので、邪魔をしないように廻って歩く。そして、テントの側に。と、思ったら、また、ガラの群れ。その中に、アトリが一羽混じっていた。アトリは冬の鳥、しかもそれだけで群れを作るものだと思っていたので、驚いた。

<今年の春は遅いかな…>
寒かった連休。強い風が吹いたり、雨が降ったり…それでも少しずつ暖かになった。とはいえ、昨年ほどではない。そして、桜も滞在の最終日になってやっとその蕾が開いた木を一つだけ発見した。ウソやウグイスの声も聞こえなかった。もしかしたら、私が聞き取れなかっただけかもしれないが…今度来た時には、会えるのかな?それを楽しみにして来よう!

<この連休に確認できた鳥>
キジバト・アカゲラ・コゲラ・ミソサザイ・ルリビタキ・アカハラ・キクイタダキ・エナガ・
コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ホオジロ・アトリ・カケス・ハシブトガラス

 2009年 5月連休(4月29日〜5月3日)

<まずは、ルリビタキ>
暖かくなると思っていたのに、急にやってきた寒気。おかげで、地面は霜柱、吐息も白くなる。そんな寒さの中でも、迎えてくれたのはルリビタキ。テントの軒先、あちらの切り株、そして、「冷たいなあ」と悲鳴を上げそうになりながら皿を洗っている水場にも…。
この時期は、都会で見るスズメと同じくらい、テント場でよく見かける鳥だ。寒いけれどやっぱり春なのだ。

<ウソの名曲?>
図鑑を見ると、ウソの鳴き声は「ヒッ」「ヒーヒーホー」と書いてある。確かに聞こえるのは「ヒッ」「ヒン」という感じの声だが、他の鳥に比べて音程感のある鳴き方をする。今回もいろいろな歌を聴けた。

「ミ、ミ、シーレミ○○、レーシラ○、シーレミ○」

「ソ、レ、ドド○」
とか、

「ファ、レ、ドド○」
とか…。

ウソはつがいや親子で飛んでいることが多い。きっと、それぞれ何か意味のある会話になっているに違いない。

<アカハラは、都会のムクドリのよう…>
4月29日の夕方、「キャラン、キャラン」とアカハラの声。昨日の夕方は聞こえなかったと言うし、今朝も聞かなかったので、私たちにとって今季初めてのアカハラの囀り。さて、囀るときのアカハラは、木の高いところにいて手の届かない存在だが、昼間テント場にいると、地面に降りて餌をつつくのがよく見られる。
それも、単独ではなく、2羽、3羽で一緒にいることが多い。数の違いはあるが、その様子を見ていると、都会で見るムクドリを思い出していた。ここに来ると、とても身近な存在なのだと思った。

<ゴジュウカラにまた会えた!>
そのアカハラと比べると、近くに居そうなのに一生懸命探さなければ見つからないのが、ゴジュウカラ。4月29日から「フィフィフィフィ」と立て続けに聞こえる声が気になっていたのだが、はじめは「何だろう?」と考えていた。翌日になってもう一度声を聞き、やっと思い出した。ゴジュウカラの声だ。白と灰色の地味な鳥だが、くちばしと尾のスッと伸びているのが凛々しく、腹のところにかすかにオレンジ色が見えているのが綺麗で廻り目平に来ると一度は会いたい鳥だ。
一生懸命探すと、白樺のてっぺんで勢いよく囀っていた。スッと飛んで唐松の枝に行って、新芽をついばんでいる。そして、また、ふと思い出したように「フィー」と繰り返して鳴く。この鳥は、木を逆さまになって降りていけるということでも有名だが、今回はその様子を一度見ただけだった。それでも、この鳥を毎日見つけることができて、とてもラッキーだった感じがする。

<ミソサザイの巣作り>
5月2日、金峰山に向かう林道沿いに歩いて行くと、また、ルリビタキの群れに会う。数羽のルリビタキを追いかけて川の対岸に双眼鏡をむけると、木の根っこのようなところとその横の苔むしたところ忙しく行き来している鳥がいる。よく見るとミソサザイ。苔を運んでは木の根っこの裏側に運んでいる。きっと巣作りしているのだなと思い、しばらく見せてもらうことにした。本当に忙しく何度も何度も行き来している。そして、苔むしたところに留まると、尾を上下に振る動作がいかにもミソサザイらしい。じっと見ている間に、「もしかしたら巣も見えるかな」と思い、川岸の方へ降りてみた。ところが、しばらくするといきなり、「ツリリリリリ」とけたたましい声。もしかしたら、高さが同じくらいになったので見つかってしまったかもしれない。鳥は自分の巣を見つけられると巣として使うのをやめてしまうと言う。これが、巣作りの邪魔にならなかったら良かったのだけれど…。邪魔になっていたらゴメンナサイ。そう思って、その場を離れた。

<あれはヤマドリ?>
金峰山に向かう林道沿いの川で対岸に渡り、今度は下流に向かって行くと、藪の中から突然ドドっと何かが飛び出した。本当に尾しか見えなかったが、その茶色っぽい感じはキジというよりヤマドリ。村の中でもよくキジには会うが、ヤマドリにあったのは初めて。

<こちらも初めてのアオゲラ>
5月1日、砦沢の入り口にサンショウウオに会いに行こうと歩いていた、途中、ヒューヒューという鳥の声。「アオゲラに似ているけど、廻り目では会ったことななあ」と思っていると、今度は「ケケッ、ケケッ」もしかしたら、アカゲラかな?運良く、2メートルくらい先の木の幹に大きな鳥の留まる影が見えた。急いで双眼鏡をむけると、なんとアオゲラ!
井の頭公園では何度かみかけた鳥だが、廻り目平で見たのは今回が初めてだった。

<いよいよ春…>
さて、霜柱ができたり、息が白かったりしていた廻り目平。5月2日の午後になると、「半袖でも良いかな?」という感じになってきた。来たときは、堅いつぼみだった桜もあちらこちらで花が開き、満開になっている木もある。ホオジロやコルリの囀りも聞かれるようになり、「いよいよ春!」という様子になってきた。
今シーズンは、これからどんな鳥に会えるか、楽しみだ。

<この連休に確認できた鳥>
ヤマドリ・キジバト・アオゲラ・ミソサザイ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・
ウグイス・エナガ・コガラ・ヒガラ・ヤマガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・
ホオジロ・ウソ・カケス・ハシブトガラス

 2008年 6月 青い鳥

廻り目平鳥事情 2008年 6月7日(土)〜6月8日(日)

<オオルリは梢で囀る>

青い鳥は、なぜか見つけにくい。メーテルリンクの話が思い出される。「これは、オオルリではないかな?」という声が聞こえても、いったいどこにいるのか、そして、本当にオオルリなのか、わからないままになっていたので、今日こそは姿を見てみようと、朝一番で意気込んで探してみた。林の中に入っていくと、どう考えても上の方で声が聞こえる。運良く目の前は上り坂の斜面になっている。下から見上げているよりも、横から見るのが絶対見易いと、斜面を平地の木のてっぺんくらいまで登ってみた。そして、ずーっと声を追いかけること10分くらい、やっとちらっと影が見えた。やっぱり青い鳥、オオルリだ。こちらも長い間同じところで囀ることはなく、囀っては隣の枝に、そして、また、離れたところにと飛んでいく。そして、5分も見ていないうちに、また、見えないところに隠れてしまった。この日は、砦沢入口で確認したい花もあったので、「今日はこの辺で」とその場を離れた。砦沢に向かう途中でも、オオルリの声が聞こえた。しかも、一羽ではなく、二羽で、囀りながら飛んでいる。この二羽は、二羽とも雄なのかなあ、それともカップルなのかなあと考えていると、一羽はどこかへ行ってしまった。近くにいる方もまた、見えなくなったので、囀りはそのままにして、花を探しに砦沢へ向かった。

<メジロではなく、ミソサザイ>

砦沢入口へ着いたが、残念ながら、探していた花は咲いておらず、くるりと輪を描いたような葉だけが見えていた。頭上で、メジロのような声が聞こえた。珍しいけれど、そういえば去年もメジロにあったなあと思いながら、渓流の石をひっくり返してサンショウウオを探していた。すると、目の前をスウーッと茶色の物体が飛んでいく。いったい何だろう?と飛んでいった方向に目をやると、小さな鳥が岩の上に留まって黄色のくちばしを上にあげ、胸にごまごまの模様がある茶色の体を震わせながら囀っている。囀るたびに尾はひょこひょこと上がる。
あれ?なんだろう?と思うと、ひょこっと飛び立ち、隣の倒木の上に、そしてまたひょこっと飛び立ち見えなくなった。しばらくして、同じところにもう一度現れた。
今度はくちばしに何かをくわえて囀ることができない。またひょこっと飛び立ち、後ろの斜面へ向かった。斜面の途中には倒木の上下に土がたまり、洞窟のようになった場所が2カ所ある。その下の方に入っていったので、どんなところかなあと斜面をあがってみた。のぞいてみてもよく見えない。きっと私があがったのは分かっているはず、鳥の気配もなくなった。と思うと、また、渓流の方から声がして、今度は上の方の洞窟のようなところに入っていった。少し声が小さくなったように感じたが、そこでまた囀っている。
こんなにひょこひょこ動いていると、一羽なのか、二羽なのかも分からないが、とにかくその洞窟のようなところでしばらく囀り、また、いなくなった。渓流から洞窟へ、洞窟から渓流へ、ひょこひょこひょこひょこ飛び回る。まだまだ囀りも続いていたが、雨もぽつぽつ降ってきて、今日は雨具もないのでテントへ向かうことにした。とはいえ、その囀りにつきあっていたのは30分。この時期の鳥たちの囀りは本当に長い。さて、家へ帰って図鑑を調べたところ、その姿といい、囀り方といい、間違いなくミソサザイ。日本の山地で湿ったところであれば、どこにでもいる鳥らしいが、廻り目で囀る姿をはっきりと見たのは、今回が初めてだった。

<6月7日・8日に確認できた鳥>

キジバト・ジュウイチ・ヨタカ・ミソサザイ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・
ウグイス・オオルリ・コガラ・シジュウカラ・ホオジロ・カケス・ハシブトガラ


 2008年 6月 初夏

廻り目平鳥事情 2008年 5月25日(日)〜5月26日(月)

<聞こえてきた夏の声>

5月25日、川上村で私たちを迎えてくれたのはカッコウの声。この声を聞くと、「ああ、そろそろ夏だなあ。」と思う。といっても、昨日からの雨もあって、それほど暖かくはない。廻り目平に着くと、まず聞こえたのはウグイスの声だった。
雨もやんだので、パノラマコースの分岐〜クジラ岩〜川沿いのテント場の散歩をした。桜が終わった後、木の新芽はだいぶ伸びてきたが、まだ、パノラマコース方面は木の上も草の上もあまり花は咲いていない。ようやくつぼみが出てきたのはマイヅルソウ、ベニバナイチヤクソウ。聞こえる鳥の声もルリビタキ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラと連休の時と同じ感じだった。川沿いのテント場に降りてみると、小梨の花が咲いていた。そして、アカハラが地面で餌をつついていたり、木の上にメボソムシクイが見えたり…。(今年初めて見ることができた)さあて、そろそろテントに戻ろうかと歩き始めると、なんだかけたたましい鳥の声、「あれ?なんだっけ?」と一瞬驚いたが、よーく聞くと「ジュウイチ!ジュウイチ!」そして、夜、ウドやコシアブラの天ぷらも交えた食事も終わって、さあ寝ようという時、「キョキョキョキョキョキョキョキョ」とかすかに声が聞こえた。聞き間違えかと耳を澄ますと、また、聞こえた。そう、ヨタカも鳴いている。廻り目平にも、夏の声が響いてきた。

<コルリは餌をつつきながら地面でもさえずっていた>

26日の朝、まず聞こえたのはヒガラの声、ウグイスも鳴くが、今日はアカハラが鳴かないなと思いながら、起きた。大日広場には、朝日が昇る瞬間をカメラで捕らえようと10人以上もの人が待ちかまえていた。太陽が顔をのぞかせたのは5:20くらい。その直前の木の陰と草の色が何ともいえないすがすがしい感じだった。
川沿いのテント場へと少しだけ足を運んでみた。バンガロー前の茂みでカケスに会い、小川山登山道入り口の方へしばらく歩いていくと、コルリの囀りが聞こえてきた。なかなか姿を見られない鳥だけに一年に一度は出会ってみたいと囀りの聞こえた川沿いに降りていった。ほんの1メートルくらいまで近づいたように声が聞こえるのに、やはり姿は見えない。そして、少しずつ移動している。1本の木の周りを何度もくるくる回ったり、藪の中をそうっとくぐったり、何も知らずに私を見る人がいたら、きっとずいぶんおかしな姿に見えるだろうなと思いながら、声を追いかけた。そして、ふと地面に目をやると、何かが動いている。急いで双眼鏡を向けてみると、いたいた!コルリだ。地面をつついて何かを食べたと思ったら、囀り、羽を繕ったと思ったら囀り…。こちらはこんなに一生懸命探していたのに、こんなに何気なくさえずっているのを見ると「なあんだ」と気が抜けてしまう感じ。そして、またすぐに藪の中に潜っていってしまった。とはいっても、今日はコルリに会えた。何かいいことありそうだなという気持ちになれるのはなぜだろう?

<5月25日・26日に確認できた鳥>
キジバト・ジュウイチ・ヨタカ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・
メボソムシクイ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・カケス・ハシブトガラス


 2008年 5月 春到来

廻り目平鳥事情 2008年 4月29日(火)〜5月3日(土)

<久しぶりのゴジュウカラ>

毎日の気象情報によると、このところ長野の方が東京よりも快晴で気温も高い日が続いていた。とはいえ、ここは標高1600m、キャンプ場に降り立つと、やはり、ひんやりする。
ようやく暖かくなってきたなあと感じたお昼頃、テント横の茂みを見ていると、木の根元を何かが動いていた。早速確認してみると、なんとゴジュウカラ!去年
廻り目で一度も会うことができず、「もうここには来なくなったのかなあ?」と考えていただけに、うれしかった。同じ「カラ」と名のつくシジュウカラやヒガラ、コガラとは体型が違っていて、細長く背中のグレーがよく似合いちょっと気
取った感じもするが、そんなに派手な鳥ではない。それでも、鳥たちの中で目立つのは、木を逆さまに降りてこられること。その話をすると、「ああ、あの鳥ね」とわかってくれる人も多い。このときも木をあがったり降りたりする様子をよく見ることができた。今は、まだ木も草も葉をつけておらず、木の根元も藪の間からよく見える。そんな条件がないと、なかなか見えない鳥なのかもしれない。とにかく会えたことがうれしかった。今回は3回会うことができた。そのうちの一度など、コルリの声に惹かれて探しに行き、見つからずに帰ってきて藪からホッと出ようとしたときに出会ったのだ。「フィフィフィ」とかなり鋭い鳴き声が聞こえ、「なんだろう?」と見回したところ、足下にすっと降りてきて地面をつついてえさを採り始めた。この声は、昨年も何度か聞いたことがある。やっぱり、藪の中でなかなか見ることができなかったのだなと思いつつじっと眺めていた。
私から1mほどのところまで地面をつついて蛇行しながら歩いてきたが、ふっと目の前の人間に気づいたように飛び上がり、去っていった。こんな出会いもあるんだなあ。とにかく、これからは、あの声が聞こえたらゴジュウカラがいると安心できそうだ。

<ハシブトガラスは進化する?>

キャンプ場に人が入ってくると、ハシブトガラスもやってくる。人が置いていったものや残していったものは、彼らにとって絶好の餌になるようだ。ある日、近くのテントにハシブトガラスがきて、何かをつついている。よく見ると、チーズにヨーグルト。いったいどこから持ってきたのだろうと思っていると、近くにあった発泡スチロール箱のふたが半分開いた感じ。この中から取り出したのがチーズとヨーグルトなのかなあ?そのテントにいた人たちに後から聞くと、確かにその箱に入っていたようだ。それにしても、箱を空けてしめるなんて!その日によーく鳥のことを知っている村の人がやってきて、その話を聞いたとき、「そんなことまでするようになったのですね。」と感動。ハシブトガラスは学習してどんどん進化するようだ。

<ルリビタキは湿気がお好き?>

この時期、テント場でよく会うルリビタキ。群れになってくることも多い。でも、今回は朝晩の移動で数羽立ち寄る程度。平日とあってそんなに人も多くないのになあと思っていた。その代わり、パノラマコース近くの水場があるところなどでは、本当によく出会う。そういえば、今回の前半は、とにかく湿度が低く、10%台になったこともある。これまでも流れのある場所で何度もあったことを考えるとルリビタキは、全く乾燥しきったところにはそうそう出てこないのかもしれない。

<朝一番はアカハラ?ウグイス?>

廻り目平では目覚まし時計はいらない。4:30前後になると、必ず鳥たちが囀り始めるからだ。
この囀りの一番手はいつもアカハラだと思っていた。ところが、そうでもないようだ。私のテントの近くで鳴いている鳥が全てではないが、このあたりだけでも囀りの一番は日によって違っていた。一日目はやはりアカハラ、ところが、二日目、三日目とウグイス、そして、なんと四日目はそれまであまりさえずってないなと思うホオジロだった。どうも、囀りの一番手をアカハラと決め込むのは正しくないようだ。さて、これから先、どんな鳥が一番手になるだろうか。まだまだ楽しみは続く。

<4月29日〜5月3日に確認できた鳥>
・キジバト・アカゲラ・コゲラ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・コガ・ヒガラ・ヤマガラ
・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ホオジロ・カケス・ホシガラス・ハシブトガラス

 2006年 6月 まさしく夏の声

まさしく夏の声

“ジュウイチ、ヨタカ、ホトトギス、カッコウ、それにツツドリ”

3日の日、八幡沢からマラ岩側にわたり、川沿いに歩いていく昔の林道でジュウイチの声が聞こえた。前回、5月21日に来たときには、わずか2回ばかりで聞こえなかった声だが、お茶を飲んで休んでいる間、ずっと聞こえていた。あいかわらず、探しても探しても見つからないが、姿を見せてくれないわりには「これでもか、これでもか」というように鳴き続けている。歩いて進んでいても、かなりの距離をついてくるようだった。「そんなに鳴くなら姿を見せてくれれば」といつも思うものだ。そして、夜になるとヨタカ。こちらも、この時期になると一晩中続けるのかなと思うくらい鳴き続ける。その声を聞きながら床につき、ふっと目が覚めるとヨタカの声に似ているが、なんだか余計なものがついているような声が聞こえた。「トッキョキョキョキョキョ」という感じ。これってまさにホトトギスだが、夜中に鳴くのかなあと家に帰って図鑑で調べると、夜中に飛びながら鳴くことがあると言うこと。「そうなんだ!」納得。そして、4日、珍しくキジバトの声で目が覚めた後、テントから外に出ると、目の前を姿も見せず、カッコウの声が飛んでいった。そして、朝の散歩の終わりにはツツドリが「ポポ、ポポ」とのんびりと鳴くのが聞こえた。こちらも前回は「1回聞こえたかな」と思うくらいだったが、今回は、その後水場で歯を磨いているときも聞こえた。まさに夏の到来という感じだ。

“オオルリと1時間つきあう”

4日の朝、起きてすぐカッコウの声を聞く前に下の木の根元でアカハラが餌を探しているかのように幹をつついているのを見た後、ウグイスの声に誘われて歩いてみた。「久しぶりに今日はウグイスの囀る姿を見てみよう」そう思ってじっと探した。かなり近づいてじっと見る。ちょうど目の高さくらいの藪で動いているのが見えた。「なぜ、ウグイスは笹藪で鳴くのかなあ」と思いながら見ていた。そして、しばらくつきあった後、その場を離れて別のところに向かった。すると、コルリが2羽鳴いているのと、もう一つ別の声が重なって聞こえた。追いかけていくと、一時聞こえなくなり、「やっぱり鳴いている鳥を探すのは難しいなあ」と思っていると、コルリの一羽は姿を見せてくれた。鳴きながら餌を探してつついているようだった(コルリとは梢の上でしか鳴かないと思っていたが、5月22日にもこの様子は見ており、このようなこともよくあるようだ)。その後、コルリがいなくなり、もう一つの声だけが残ったのでずっと追っかけてみた。すると、高い梢の先で、鳴いている姿が見えた。あいにく、太陽の光がほぼ正面から当たっていたので、背中から見たときは真っ黒に見えた。そして、もう一回違う角度から見たときも。おなかしか見えないので、「白いなあ」ということしかわからない。でも、くちばしがちょっと細めで、尾のところは少し広がっており、囀る姿も立っている感じということだけはわかった。おそらく、その姿はキビタキか、オオルリか、ノビタキかという感じだった。自宅へ帰って早速図鑑と鳴き声のCDを調べてみた。後ろ姿が本当に真っ黒だったらノビタキしかないが、ノビタキは草原でなく鳥、そして、鳴き方も少しせかせかした感じ。キビタキだったら、おなかのところがもっと黄色に見えてもいいし、羽の肩の辺りに白い線が見えるかなあ、そして、鳴き声も少し早めで、区切りのところに聞こえるジジッというか、ジェジェッという感じの声がない。おそらく、オオルリだろう。その鳴き声があまりにも見事で、姿を見たのはほんの少しだが、1時間もつきあってしまった。そして、CDで聞いてみて、あらためて、前日、川のほとりで聞いた声はキビタキだとわかった。

6月3日(土)・4日(日)に出会うことができた鳥
キジバト・アカゲラ・コルリ・ルリビタキ・ウグイス・オオルリ・コガラ・ヒガラ・
シジュウカラ・カケス・ハシブトガラス

声だけ聞くことが出来た鳥
ジュウイチ・カッコウ・ツツドリ・ホトトギス・ヨタカ・コゲラ・キビタキ・アカハラ・
メボソムシクイ・ホオジロ

 2006年 5月 ゴールデンウイーク編

囀りに巣作り 春の始まりです

3月末にアトリが200羽〜300羽もの群れになって飛んでいた様子を思い浮かべながら今年も廻り目平の春を期待してキャンプ場を訪れた。しかし、今年の春は一気にやってきてはくれない。キャンプに入った4月29日も、寒々とした一日だった。そんな中でもやはり、春がやってきたなと感じさせてくれたのが鳥たちの鳴き声だった。そして、今年の連休は日替わりでいろいろな鳥の春に出会えた。

4月29日(土) “春一番はルリビタキ”
ヒガラとコガラの声で目が覚めた。その中に混じってなんだか中途半端なさえずりが聞こえる。「ホッ」といったり、「キョ」といっているように聞こえたり、そのうちやっと「ホーホケキョ」そう、ウグイスの声だった。そして、朝食を摂る頃にテントサイトに現れたのがルリビタキ。何羽も一緒に尾を細かく振りながら飛び回る様子に、春を感じた。林の中ではホオジロがつがいで飛んでいる様子も見られた。夕方、地面で餌をとるアカハラも見られたが、まださえずりは聞こえない。

4月30日(日) “コガラの囀りにびっくり”
夜明け前のコガラ・ヒガラの囀りと一緒にアカハラの声も聞こえた。これこそ廻り目平の夜明けという感じ。カモシカ遊歩道にある砦沢まで散歩する途中、パノラマ遊歩道との分岐点あたりでとてつもなく高いさえずりが聞こえた。「ツィツィツィツィ」と鳴いてみたり、それが「フィフィフィフィフィフィ」になったり。木のてっぺんでこんな声で囀るのかとびっくり。この日の散歩では日本一小さいというキクイタダキにも会えた。

テントサイトに帰ると、ヒガラがテント脇まで降りてきた。何かを一生懸命つついている。

何だろうとよく見ると、前日遊びに来た犬の毛だった。それを細かく裂いては持ち去っている。鳥たちも巣作りの季節。まだまだ寒いけれどせっせと巣作りに励んでいるようだ。

5月1日(月) “トラツグミは昼でも鳴く?!”
今日もアカハラの声で夜明けを迎えた。ウグイスも一生懸命囀る。そして、コガラ・ヒガラ。そんな中に混じってコルリも1フレーズ囀ったような気がしたが空耳かなあ。

朝食後のお茶の頃、ホシガラスが数羽の群れでやってきた。何となく夏の鳥のイメージがあるが、こんな時期にもやってくるのだ。そして、おしゃべりをしていると「ヒー、ヒー」という甲高い声が聞こえた。トラツグミはこんな声で鳴くのだが、何せ朝の9時半。どの人も「こんな時間に鳴くはずがないよね。」という。私も「そうかな」と聞き流していたがあまりにも続く声にじっとしていられなくなり声のする方へ向かった。すると、なんと本物のトラツグミが鳴いているではないか。尾を振り、翼も振るわせるくらいの熱演だ。まん丸な目で春の到来を確かめているように鳴いている。トラツグミは冬の間平地に降りるという。もしかしたら、この日平地からあがってきて、「ココニイルゾ!」と存在感を示したかったのかもしれない。夕暮れ時にアカハラの声に混じってまた、甲高いトラツグミの囀りが聞こえた。

5月2日(火) “アカゲラが鳴きながら飛び回る姿”
朝、トラツグミが鳴いたと思ったら雨が降り始めた。雷の鳴る大雨の後、一日中シトシトと雨の降る寒い一日となった。
この日、姿を初めて見たのはアカゲラ。キャンプに入ってからずっと気になっていた「ケン、ケン」という声は、やはりアカゲラだったのだ。飛びながら鳴くだけでなく、木にとまっても「ケン、ケン」と鳴きながら木を登ったり降りたりしている。
雨のやみ間には低い枝にホオジロも降りてきた。そして、この寒さにも負けず、ウグイスは一日鳴き続けた。

5月3日(水) “コルリに会えた”
アカハラの囀りに目を覚まし、テントをでると足下がザクッ。昨日からの冷え込みで霜柱が出来ていた。水道も凍って止まっている。そんな中でも、夜明けを告げるアカハラとウグイスの囀りはとても派手なものだった。

これまで1フレーズくらいしか聞こえなかったコルリの囀りが、少し続いた。すぐに止んでしばらく静かになったので、もしかしたら地面に降りているのではないかと姿を探してみた。すると、目の前の枝にすっと降りてきたのがコルリ。とがったくちばしをあちこちに向けながら何処に降りるか探しているようだったが、やがて、すっと地面に降りて去っていった。そして、まもなく囀りが聞こえてきた。これまでと違って数分間続く囀り。日差しも強まり少しずつ暖かくなる中で、春がやってきたなあと感じさせてくれる囀りだった。

4月29日(土)〜5月3日(水)に出会うことができた鳥
キジバト・アカゲラ・コゲラ・コルリ・ルリビタキ・トラツグミ・アカハラ・メボソムシクイ・
キクイタダキ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・メジロ・ホオジロ・ホシガラス・ハシブトガラス

声だけ聞くことが出来た鳥
ウグイス・ゴジュウカラ

 2005年 8月 夏休み編

今年は6月にサラサドウダンに会うために日帰りで来てから久しく来ていなかったが、ようやく夏休みでしばらく滞在することが出来た。一羽の鳥をじっくりと見たり、昨年までと違うことに気づいたり………。
いくつか気づいたことを記しておこう。

“カラスは増えたがホシガラスには会えないテントサイト”
朝一番に鳴くのはいつものアカハラだが、それ以上に声が気になってしまうのがハシブトガラスらしい「カァカァ」という声。これまでも少しずつ増えているとは感じたが、ざっと感じるだけで昨年の2倍はいるのではないだろうか。「これで大丈夫かな?」と思って車の下に置いた食料やゴミをひっくり返したり、人のいない炊事場に時間を見計らったようにやってきたり……。とにかく、テントサイトはえさを探すのには困らない環境になっているらしい。それと比べて全く見なくなったのがホシガラス。毎年8月になると、テントサイトにやってきて、人がこぼした食料や油を拾って食べているのが見られたが、今年は頭の上を一羽飛んでいくのを見たが、テントサイトに降りているのはとうとう一羽も見ることが出来なかった。今年は唐松の実がたくさん出来ていることから、餌に困っていなくてテントサイトまで降りてこないというだけならよいのだが。

“ホオジロを追っかけた3週間”
夏も盛りになるとそれまで盛んだった鳥たちの囀りが少しずつ聞かれなくなる。コルリは一番に囀るのをやめてしまう感じだし、カッコウは山から下りてしまうのか村の中では聞こえることがあってもキャンプ場ではなかなか聞かれなくなる。ルリビタキやメボソムシクイは何とか囀りながら飛び交っているのがわかる。なかなか遅くまで囀ってくれるのがウグイス、今年は8月2日まで囀りを聞くことが出来た。アカハラは比較的遅くまで囀り続けて日の出と日の入りを知らせてくれるような鳥、今年はキャンプ場に滞在できた8月23日の朝まで囀りを聞くことが出来た。そんな中でいろいろな囀りで注目させてくれたのがホオジロ。とにかく自分の居所を誇示するように、午前中は1時間ごとくらいに囀っているのが見られた。その声も様々、「チッチラチー」「チョッチチッチッ」「ピチョチョッピー」「チョッピピッチョ ピッチョッピッ」「チョッピーツチッピー」そして、良く図鑑などに出てくる声も交えた「チョットコイコイツツピーツッ」囀りだけの時もあれば、囀るよりも身繕いしている時間の方が長い時もある。どんな囀りがどういう行動と結びついているのか注目してみたが、なかなか気力のいる作業で今回は失敗。また、20日に一時声が聞こえなくなってしまったので、どうしたのかな?と思い、Sさんに尋ねると、もしかしたら猛禽類に食べられてしまったのかもしれないということで自分の子どもみたいに心配していたが、2日後、また、囀りを聞けて少し安心。これだけ注目し続けるとやはり愛着がわくものだ。

“雛たちの動きもおもしろい”
鳥たちを見たとき、成鳥であればすぐに見分けがついても、雛の時はやたらゴマゴマした模様だけが目立ち、見分けるのに困ることも多い。特にカラの仲間は同じくらいの大きさで同じような色をしていて黒と白のゴマゴマで、全く見分けのつかないことが多い。それでも親子で一緒にいるときは何の雛かがわかる。おもしろかったのがコガラの親子、親子らしく一緒に飛びながら相手を意識しているが、ふつうなら親が子に餌をとってやるものと思ってみていると、なんと餌を自分でとっているのは雛と思われるゴマゴマのほう、しかも、採ったと思ったら親のくちばしに運んでいるのだ。「これって本当かな?」と思われる出来事だった。見分けるために図鑑を隅から隅までめくってみてしまったのがオオルリ。図鑑だけでは自信が持てず、Sさんに電話をかけて確認させてもらった。そのときにやはり「親鳥は見た?」ということを聞かれたが、私が見たとき親鳥は見られず、雛が2羽で「ジェージェー」というような声で鳴き交わしながら茂みの低いところを飛んでいて、時折地面に降りては餌を拾っているようだった。2羽とも上半身は茶色っぽいゴマゴマで、羽の部分だけが青く目立っていた。雛鳥というのは警戒心も薄いのか、飛び交っている茂みのすぐ近くに人がやってきても割と平気な顔で人の肩当たりのところに留まっていたのが印象的だった。

“メジロは廻り目にいるのかな?”
6月にたときにYさんからメジロを見たという話を聞いた。そのときは、「廻り目にメジロっているのかな?」と思ったが、9日と18日、確かにそれらしい鳥を見た。とはいっても、動きの速い鳥で、大きさもしっかりと確認できなかったし、カラの群れにいたし、もしかしたらキクイタダキかなとも思ったりしたが、動きの早さで頭部の模様も確認できていないので、メジロの可能性も大きい。ホオジロの話をしたときにSさんに確認したところ、最近何度も確認をうけているらしい反応が返ってきた。Sさんも言われるとおり、鳥には羽がついているからどこでも飛べる。どちらかはわからない状態だが、やはりメジロである可能性も大きいようだ。「この鳥は此処にはいない」と決めてかかるのはやはり人間の勝手な考えのようだ。

さて、8月2日(月)〜23日(火)に確認できた鳥は
キジバト、コゲラ、ルリビタキ、アカハラ、ウグイス、メボソムシクイ、オオルリ、エナガ、コガラ、シジュウカラ、キクイタダキ?メジロ? ホオジロ、アオジ、ウソ、ホシガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス

声だけの確認は
ヨタカ、コマドリ、コルリ、トラツグミ、カケス


2005年 5月下旬編

夏の鳥の声も
連休の時、「春の声が」といったばかりの廻り目平。でも5月も半ばになると、もう夏の鳥の声が聞こえる。これは、私のイメージでしかないかもしれないが、「夏の鳥」といえば、カッコウ・ジュウイチ・ヨタカ・ツツドリ。5月22日は、連休の時よりずっと寒く春もまだという感じだったが、夕方になるとジュウイチが鳴き、夜は雨の中ずっとヨタカが鳴きとおした。こんなに寒くても鳴くのだから、ジュウイチもヨタカも気温を感じて動いているというよりも、日照時間を感じて動いているのかもしれない。そして、23日の朝、6時過ぎにはカッコウの声が聞こえた。他の鳥に自分の子どもを育てさせるというカッコウだが、その澄んだ声は何ともいえず気持ちの良いもので「ああ、夏が来たなあ。」としみじみと感じてしまう。今回はツツドリの声は聞こえなかった。

とはいっても、鳴いているのはカッコウ・ジュウイチ・ヨタカだけではない。ルリビタキも“ヒッヒッヒッ”といいながら飛ぶだけではなく、枝にとまって “ヒュロロロロロ”と鳴いては、飛ぶといった
動作を繰り返している。メボソムシクイも“チョリチョリチョリ”もちろん、ウグイスもアカハラも連休の時以上に鳴いている。

さて、都会と比べていつも思うのは、同じ鳥なのに何故こちらで見ると大きくて色鮮やかなのだろうということだ。今回も、キャンプ場にやってきて早速迎えてくれたのはアカハラ、冬の間は平地でも会えるのだが、やはりオレンジが鮮やか。そして、低空飛行していたコゲラも、その縞々がくっきりと見える。林の奥でゴソゴソしていたのは2羽のヤマガラ、こちらも胸元の茶色は美しい。それぞれの鳥が自分の存在を示したい時期だからだろうか。それとも、やっぱり空気の澄み方は鳥の色にも影響するものなのだろうか。

今回、珍しく2回も会えたのはオオルリ。1羽には、今まで会ったことのない岩場で出会うことができた。前回、そこであったのはゴジュウカラ、“フィーフィー”という感じの声に「あっまたゴジュウカラに会える!」と勇んで飛ぶように追いかけたが一回目は夕方で暗くなるときだったので時間もなく失敗。翌朝、遙か遠くの鳴き声が近づいてきたので急いで追いかけてみた。こういうときは急な坂道もそんなにつらくないもの。坂を上りきったところを少し進んでいくと目の前に大きな鳥が。あれっ?と思ってよく見るとカケスだった。カケスは全く声も出さずにいなくなった。声はまだカケスの来た方向から聞こえる。そして、ある枝の上に白いおなか、胸元から頭にかけては黒く、そして、羽根が青い、まさに、オオルリを見つけた。「ああこんなところで会えるなんて」と思いがけない出会いに感激だった。もう一羽は以前夏に出会ったところ、同じ日だったのですぐにオオルリだとわかった。ゴジュウカラには今回会えなかったが、2回もオオルリに会えたことには感謝。「また会おうね」という気持ちで何度も振り返りながらテント場に戻った。

5月22日〜23日に会えた鳥
キジバト・コゲラ・キセキレイ・コルリ・アカハラ・メボソムシクイ・オオルリ・コガラ・ヒガラ・ヤマガラ・シジュウカラ・カケス・ハシブトガラス
声だけを聞けた鳥
ジュウイチ・カッコウ・ヨタカ


2005年 五月連休版
にぎやかな春の声が
廻り目平にも遅い春がやってきた。遅いといっても去年より少し早めのようだ。ゴールデンウィークと呼ばれるこの時期、去年は咲きはじめだった桜もすでに5分咲きになっているものが多い。

そして、春の声といえばなんといってもやはり鳥の囀り。ウグイス、アカハラ、そしてコルリ……。この鳥たちの囀りを聞いていると春がどんどんやってくるのがよくわかる。4月29日の時点ではまだ、夜明けの頃ほんの少しだけ囀ったコルリも5月1日には1時間半近く鳴き続けた。アカハラも本当につたなくキャランキャランと数回繰り返すのがやっとだったのに、5月2日には何となくまとまった囀りになってきた。ウグイスは平地でも囀って登ってきているのか、はじめから何となく立派に囀っている。

この時期うれしいのは、木々が葉をつけていないため囀っているその姿がよく見えること。

高い梢で囀っているアカハラ・コルリはいうまでもなく、人の背よりも低いところを囀りながら飛び回るウグイスも見つけることができた。くちばしを持ち上げ誇らしげに囀るその様子からは春の楽しさを味わうことができる。

もちろん、囀っているのはこの3種類だけではない。ヒガラやエナガやコガラたちは、鳴き声で仲間を確かめるように飛ぶ。特にコガラは“ホーヒー、ホーヒー”“ピーピー”“ヒッツツヒー”等と囀るだけでなく、“ジャージャー”“ツィーツィー”など地鳴きのような声も含めると、数え切れないほどの鳴き声でお互いに呼び合っている。

こんな鳥たちと話ができたらどんなにいいだろう。

4月29日(金)〜5月3日(火)に出会うことができた鳥

キジバト・アカゲラ・コゲラ・コルリ・アカハラ・ウグイス・エナガ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ウソ・カケス・ハシブトガラス
*ホシガラスらしい声が左岸スラブあたりで聞こえた。

2004年 夏
暑かった今年の夏、廻り目平も昨年よりずっと暑い感じで過ぎた。

お天気の良い日も多く、クライミングにせっせと出かけ、その分鳥たちとの出会いを楽しむ時間が少なめだったかもしれない。
それでも、意外だったなあと思うことやおもしろいなと思ったことがあった。

まずは、ヨタカの夜泣き(?!)
私が持っている図鑑にはヨタカは日暮れ時と夜明けには鳴くが、夜中には鳴かないとある。
しかし、7月2日〜3日、3日〜4日、夜なか中ヨタカは鳴きっぱなしだった。(正確に言うと、寝るときも起きるときも鳴いていて、夜中に目が覚めると必ず鳴いていた。)ちょうど、満月で一晩明るい感じだったことが、そのことに関係あるのかなあと思った。
いままで、鹿かなあと思っていた声はトラツグミの声だったようだ。

その声も、7月の初めによく聴いた。初めは「鹿かなあ」と思っていたが、半月ほど経ってもっと長めな本物の鹿の声が聞こえ、「あのときの声はやっぱりトラツグミだ」と思ったものだ。

鳥の雛たちはとても大胆。
8月の初め、雨が降っていると、雨宿りをするためか、ヒタキ科のように尾を上下に振る「いかにも雛」という感じの鳥が、タープの下にやってきて、キッチンテントと荷物のあるテントの間を横断した。

また、8月も中旬を過ぎると、アカハラの雛たちが群れになってテントの裏で餌をとっていた。特に驚いたのは、24日の朝、テントの目の前の草むらに7羽くらいの群れが集まり、地面で何かをつついていたことだ。1メートルくらいまで近づくとさすがに飛んでいってしまうが、ちょっと離れている限り、動いていても雛たちは動じない。

さて、今年もウグイスは8月13日になると、鳴かなくなった。ちょうど、そのころ、「秋が来たかなあ」と思わせるように涼しくなったのは関係ありそうだ。それでも、18日、ほんの少し夏らしさが戻ってきたら、「ホーホケキョ」ではなく、「ケキョケキョ、ケキョケキョ」と、遠慮がちに鳴いていた。アカハラは8月20日頃になっても、朝早く少しだけ鳴き声を聞かせてくれた。

7〜8月に確認できた鳥は

キジバト、コゲラ、ビンズイ、アカハラ、ウグイス、キビタキ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、
シジュウカラ、ゴジュウカラ、ウソ、カケス、ホシガラス、ハシブトガラス

声だけ確認できた鳥は、
ジュウイチ、ヨタカ、コルリ、ルリビタキ、トラツグミ、メボソムシクイ


2004年 5月連休
今年、東京の春は、早かった。廻り目平の春も早い。

例年は、まだ蕾を付けてもいない桜がもう咲いている。ソメイヨシノと比べると、ぐっと、控えめで自己主張のない花だが、それがまた良くて大好きな花だ。唐松も芽吹きを始めている。

鳥たちの動きも活発で、昨年はまだ聞けなかった鳥の声も少し、聞こえた。といっても、意識的に鳥を追っかけ始めてからまだ2年目なので、「例年と比べると」などということはとても言えない。でも、やはり、1年目とは違う観察もできるものだ。5日間という短い期間だが、毎日新しい出会いがあったのは楽しかった。


2004.4.29 <ルリビタキの群れと会う>
4月29日(木) 一日中雲一つない晴、少し寒い日
「ルリビタキの群れと会う」
4:30頃、鳥のさえずりで目が覚めるがまたすぐに寝てしまい、起きたのは7:30。起きた途端に出会ったのは、ルリビタキ。テントの周りでも一度に3〜4羽は、見ることができる。かなり近くまでいっても地面で餌を拾っている。何を食べているのかなあ。金峰山に向かう林道では両側からルリビタキはヒョコヒョコ、まるで、都会で出会うスズメのように出てきた。帰り道でも同様だった。もちろん、ほかにも鳥たちはたくさん。ヒガラ、コゲラ、そして、キジバトと一緒にアカハラも餌を食べていた。

2004.4.30 <藪の中に色々な鳥が・・・・>
4月30日(金) 曇り時々晴れ 日中は半袖で過ごせる暖かさ
「藪の中にいろいろな鳥が…」
5:00頃、まだまだ拙いアカハラの声で目が覚める。今日は、コルリの声に誘われて、朝一番に金峰山方面に歩く。犬のいるテントの前に犬がいるとも知らず近づいたので、吠えられて遠ざかる。それが、かえって、良かったようで、沢山の鳥に会えた。
まずコルリとは全く反対側で、ホオジロが鳴くのが聞こえた。チョッピーチョチョッピーと、木のてっぺんで鳴くので、こちらは姿も捉えやすい。
そして、ウグイス。鳴いているところはなかなか見えないと思っていたが、あまりにも頭の横で鳴き声がするので、じっと見ていると飛ぶ姿が目に入った。それから5分くらい、鳴きながら飛び回る姿を見ることができた。よくまあ、あんなに「ついでに」という感じで鳴けるなあと感心するくらい、鳴きながら木の芽をついばんだり飛んだり、かなり忙しい。
それから、もう少し、コルリの声を追いかけて、川側に降りてみる。しばらくすると、目の間に大きな影、何とアカゲラだ。さっき、何かが木を上っているのが見えたのはそれだったんだ。頭の後ろもおしりも赤くて目がまんまる。縞模様も鮮やかな感じ。最初は木の横枝にとまってせっせと身繕い。この後、再度飛んできた時には木の幹を上ったり降りたり。降りるときも上向きでバックするのはなかなか器用そうに見えた。
そして、もう一つ飛んできた大きな影はカケスだった。こちらも、身繕いに余念がなかった。
さて、肝心のコルリだが、今日は、幸運にも姿を見つけることができた。こちらは、木の中段くらいの枝に乗っていた。あいにく、逆光で、あの鮮やかなブルーを見ることはできなかったが。昨日まで都会のスズメのように見えていたルリビタキはどこかに散っていったようだ。

2004.5.1 <ジュウイチがもう鳴いている>
5月1日(土) 晴れ
「ジュウイチがもう鳴いていた」
午前2時。何とジュウイチの声で目が覚める。こんなに早い時期に聴いたことがない。ちょっと飛んでいるところでも見ようかなと思ったが、昨日「熊がでるかもしれない」という放送があって、ちょっと躊躇。結局でてみたのは声も消えた頃。
4:58 またアカハラの声。まだまだ拙い。ウグイスも同じくらいに鳴き始めて、一度静まったのは3分後。
今日はテント裏から散歩を始めたが、カケスをはじめ、いろいろな声が聞こえるわりには姿が見えず、ついに、昨日と同じ方向にコルリの声が聞こえたので訪ねていった。ある白樺の木の上にいた。枝の先ではなく枝のつけねで鳴いていた。そして、隣の唐松にいき、こちらでも枝の付け根でいろいろと方向を変えて30分くらい鳴き続けた末、飛び立った。さて、朝食にと思って方向を変えたところで、大きな鳥がやってきた。アカゲラだ。昨日と同じ鳥なのかなあ。遠くではアオゲラのような声も聞こえたけれど、いるのかなあと考えながら帰った。朝食後、ウソのような声も聞こえたが、いるのだろうか。
さて、今日は、八幡沢(左岸スラブ)へ。近づく頃から、「コッキロキロキロキロロ、キロキロキロ、キロキロキロ」の声。追いかけるとルリビタキ。今まで、こういう感じの声はメボソムシクイと、思っていただけに、大発見だった。

2004.5.2 <ウソがホントにいた!>
5月2日(日) 晴れ 朝は寒くて羽毛服
「ウソがホントにいた!」
4:30頃、アカハラが鳴くが、「まだ早いよ」と目を閉じる。しかし、テント裏では「チチチチ」と、2羽の鳥が争うような音がするし、5:30にはまたアカハラが鳴き、続いてウグイス。「もう起きろよ」といわれているようだ。
そこで、起き出して、テント裏へ。「区域外」の看板近くで何かが地面すれすれに飛んでいるのを見て近づいたが、もういない。目を上げてしばらくすると、目の前の木にちょっと大きめの鳥。急いで双眼鏡を目に当てると、何とそれはウソだった。ウソは尾の付け根の裏側がオレンジ。桜の花を食べているように見えた。
今日は寒いからか、コルリが鳴かない。それでも、昨日一昨日と出かけた場所に行ってみると、ウグイスが笹藪で鳴くのを見ることができた。
そして、おむすび山では、ホシガラスをすぐ近くで見ることもできた。こんなに近くで見るのはやはり、昨年より早い。

2004.5.3 <コルリのダンス>
5月3日(月) 晴れのち曇り
「コルリのダンス!」
4:27 アカハラの声でまた起こされた。相変わらず早い。昨日鳴いていなかったコルリも5時過ぎには鳴き始めた。
今日はテント裏で鳴いているなあと早速見に行くと、はじめに出会ったのはウソ。そちらに注目していてそばで、「チョッピリーチョッピリー」と鳴いている鳥を無視してしまった。すると、すぐに遠ざかり、なんだかわからなかったのは残念。もう一つ姿を見ることができなかったのは「ヒヨーヒヨー」という大きな声の鳥。
追いかけてもわからなかったので、また、昨日ウグイスと会えた場所に行く。今日も鳴いていたが、笹藪のかなり深いところで、今日は見えないかなあとあきらめかけていたところ、ひょっこり藪の外に現れた。しかも、白い花の咲いている木にとまり、太陽の光をほどよい具合に浴びていたので、ウグイスの萌葱色がとてもきれいに見えた。
目の前をさっと横切ったのはルリビタキ。尾を細かく振りながら、あっちこっちへ。じっと見ているうちにコルリの鳴き声が聞こえてきた。声の聞こえる方向を定めて、双眼鏡を向けると、そこに飛び込んでくるかのように現れた。今日はずいぶん低いところで鳴いているなあと思ったら、まだまだ降りてくる。そして、平たい岩の上にちょこんと降りた。さすがにそこではちょこっと鳴いてすぐにやめたなと思っていたら、お尻をこちらに向けて尾をあげた。コルリの尾はルリビタキより平たいなと見ているうちに、頭と尾を同時に上げ下げしてくるくる回ったり動いたり。まるで、ダンスだ。それを15分も続けたとき、左からサッとまた一羽鳥がきて、一緒に飛び去った。そうか、あれは、求愛ダンスだったのかもしれない。とすると、見事にカップル誕生かな?
どうぞ、お幸せに!

さて、この連休はアカハラの声で夜が明け、日が沈んでいった感じだ。毎日、いろいろな出会いがあった。ここで、5日間に出会った鳥をまとめておこう。

キジバト、ジュウイチ、アカゲラ、コゲラ、コルリ、ルリビタキ、アカハラ、ウグイス、エナガ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ホオジロ、ウソ、カケス、ホシガラス、ハシボソガラス、
ハシブトガラス、

そして、鳴き声だけの鳥
「チョッピリーチョッピリー」と鳴いている鳥(ビンズイかもしれない)
「ヒヨーヒヨー」という大きな声の鳥(アオゲラがいるのだろうか)


20003.10.26<カケスに会えた!>
10月も後半になると朝夕がぐっと冷え込み、太陽が昇る頃は地面が真っ白という日がある。前夜の11時頃に東の空に大きなオリオン座が輝いているのを見たこの朝もそうだった。山々に囲まれた廻り目平に太陽が顔を出すのは7時半を過ぎてから。ちょうどその頃だったか、「ジェー、ジェー」というような声が聞こえた。ホシガラスのようでもあるが、ちょっと違うなあと一生懸命、声の聞こえた方向を探してみた。すると、やはり、ホシガラスくらいの大きさで尾の方が少し白く見える鳥がさっと飛び去った。

「ホシガラスかなあ?それともカケスかなあ?」そう思っているうちに、知り合いのご夫婦が到着。一緒に左岸スラブに出かけることになった。その途中、林道上でまた、「ジェー、ジェー」という声が……。またも、尾の方が白く見える鳥だった。それも、3羽も。でも、しっかりと姿を見る前に飛び去ってしまった。テント場をでるときには、ウソが4羽、鳴き交わしもせずに飛びながら木の実を食べていた。そして、八幡沢にさしかかったときにはカラの仲間が群れで飛んでいた。左岸スラブについて登り始めようとしたとき、荷物を置いた木の途中の小さな穴にドングリがぽつんと置かれていた。もしかしたら、カラの仲間が蓄えに持ち込んだものかなあと鳥たちの冬支度にも思いをはせる。

この日のクライミングが終わってテント場に帰り、おみやげにもらって帰ろうとドングリや落ち葉を拾っていたとき、またも、「ジェー、ジェー」という声が……。今度は、影だけを見せて飛んでいく。「あーあ、今日は3回目」と、林の中に立ちすくんでいると「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ」という声が聞こえた。ルリビタキの飛ぶ声だ。こんな季節になってもまだ元気に飛んでいるんだなと、まるで友達にあったように、少しホッとした。

さて、前日より少し冷え込みの少ない翌朝、太陽が山の端から顔を出したのは7時45分

写真を趣味にしている人たちのグループが来ていたようで、日の出を待つようにカメラを抱えている人が沢山いた。それから少しばかりたったとき、またも「ジェー、ジェー」という声、もう、絶対に見つけたいというおもいで、梢をぐるりと見回すと、やっと見つけた、あの、何ともいえないきれいな青と白がちょっとだけ見える羽。それはまさにカケス!

そういえば姿を見たのは5月の連休以来、どこに行っていたのかなあ。この日の朝、ルリビタキが木の上の方を飛ぶのや、キジバトが枯れかかったウドの実を一生懸命ついばむ姿も見ることができた。ウソが飛びながら鳴き交わしているのも聞くことができた。でも、ホシガラスの姿は見えない。また、1ヶ月前には群れを作って飛んでいたアカハラも見ることはできなかった。やはり、季節は確実に移り変わっているようだ。

* 10月25日・26日に見ることのできた鳥
キジバト・ルリビタキ・コガラまたはヒガラ・ウソ・カケス・ハシブトガラス

2003.8.31<鳥たちの子育てもそろそろ終わり……>
今年の夏は、「涼しい」というよりも廻り目平では「寒い」といった方が似合うような夏だった。夏らしい日差しが感じられたのはわずか数日といっても言い過ぎではない。

そんな中でも鳥たちはせっせと子育てをしていた様子。8月になってそんな鳥の二種類の親子をじっくりと見ることができた。

初めはウソの親子。ウソがつがいで「ヒン、ヒン」と鳴き交わしながら飛んでいるのはこれまでも見たことがあった。ところが、8月の中頃、その「ヒン、ヒン」という鳴き声に、少し違った感じのものが混じっているのに気付いた。鳴き声を追っかけて双眼鏡をのぞいてみると、そこには、ウソの雄・雌のほかに、一回り小振りな鳥が見えた。

「この鳥はなんだろう?」としばらく注目しているとウソの雄が自分でついばんでいた白樺の実をその鳥に口移しで与えている。そこで、私はやっと納得。「これは親子だ!」その後も、幼鳥はいかにも親から餌をもらうのを待っているようにじっとしていることが多かった。その後、親が鳴きながら飛び立っていくと、しばらくして、幼鳥も追っかけるように飛び立った。

その次に、もう一組の親子を見た時は、親が飛び立ってしばらくたっても飛び立たず、じっとしていた。「いつ飛び立つのかな?」と気にはなったが、飛び立つまで待つことも出来ず、私の方が先にその場を離れた。

さて、それから1週間ばかりして、ウソの幼鳥が一羽で、木に止まっているのを見た。その木の実はまだ緑色をしていて、「食べておいしいのかなあ?」と感じるものだったが、幼鳥は一生懸命つついて食べている。しばらく見ていたところ、そこに親鳥が飛んできて、一緒に飛び立っていった。「うーん、鳥たちもそろそろ独り立ちしようとしているのかなあ。」と実感。

もう一種類は、オオルリ。初めに見つけたのは雄の親鳥。木の枝に留まって大きな声でさえずるのが見られ、すっと飛んでいった。次に現れたのは雌の親鳥だったようだ。こちらの木でさえずったと思ったら、違う木の上でさえずり、くるくると飛び回っていた。そこは、カモシカ遊歩道で木に囲まれた気持ちの良い場所だったので、私たちはしばらくじっと観察してみた。雌鳥は、少しすると姿が見えなくなった、と思ったら、急に騒がしい鳴き声がして藪の中から、すーっと現れたのは、なんとテンだった。そして、テンに追い立てられたように雌鳥が、また視界に現れた。

少しして、また、雌鳥が視界から消えていったのをきっかけに帰ろうとしたところ、今度は、私たちが帰ろうとした方向からなんだかヒーヒー言うような声が聞こえた。
何だろうと一生懸命頭上を探しても見えない。そこに現れたのが雄鳥。まるで、「こっちを見ろ」といわんばかりに大きな声できれいにさえずる。

そして、何度か場所を変えた後、蝶の幼虫のような虫をしっかりとくちばしで捕まえて木の枝にぶつけていた。そういう餌の採り方をするのも初めて見たのでかなり興味を持って注目していると、また、「ヒー」というようなこえて、何かが目の前からさっと頭上の木の枝に飛び立った。すると、雄鳥は、さっと、そちらの枝に飛び、その鳥に餌を与えている。どうやら、飛び立った“ゴマゴマ”の鳥は、オオルリの幼鳥らしい。

あとで、図鑑を調べてみると、オオルリは雌鳥も、巣の近くに人間が近づいたりした時には雄のような声でなくということだから、もしかしたら、幼鳥の飛び立った藪の中に巣があったのかなあと考えた。

さて、5月から、なわばりを作ったり相棒を捜したりするために盛んにさえずっていた鳥たちもそろそろ子育てを終わる頃らしい。そのせいか、少しずつさえずりも聞かれなくなってきた。特に、毎朝目覚ましのように鳴いていたウグイスとアカハラの声が聞こえなくなったのは印象的だった。(ウグイスは8月11日頃、アカハラは1週間後の18日頃)まだ、ウソの声は聞こえるが、この声も聞こえなくなると思うと少し寂しい感じがする。

「寒かった」廻り目平の夏もそろそろ終わりのようだ。

* 8月に見ることのできた鳥
キジバト・コゲラ・ルリビタキ・アカハラ・ウグイス・メボソムシクイ・オオルリ
コガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・ホオジロ・ウソ・ホシガラス・ハシブトガラ

* 声だけ聞くことが出来た鳥
ビンズイ・コマドリ

2003.6.26 <ヨタカの鳴き声が聞こえた!>
2週間前、夏の訪れを告げるレンゲツツジが咲き始めた廻り目平。
今回はそろそろ満開の時を過ぎてきていた。ジュウイチの声も2週間前ほどではなく、そろそろ鳥たちも鳴かなくなるのかなあと、少し寂しい想いもしていた時、「キョキョキョキョ…」と聞こえたヨタカの声、「ああ、やっと聞けたなあ。」という感じだった。

ヨタカは本当に小さめの声ながら自分の居場所を主張するように鳴いている。ジュウイチのように夜中じゅう鳴いているのではなく、夜の始まりと夜明け前に鳴くようだ。今回は夜の8時頃、そして、夜明け前の4時くらい、どちらも鳴き続けるのは15分くらいだった。

一方、これに比べて長く鳴いているのはコルリ、朝の4:30〜8:30の4時間もたてつづけに鳴いていた。しかも、ジュウイチのように飛びながらではなく、10メートル四方くらいの範囲で。鳥たちも種類によって鳴き方がずいぶん異なるものだ。

キャンプ場で、6月21日・22日の2日間に見ることができた鳥は以下の通りだ。
キジバト・ビンズイ・コガラ・ヒガラ・ハシブトガラス

鳴き声だけ確認できた鳥は以下の通り。
ジュウイチ・ヨタカ・コゲラ・コマドリ・コルリ・アカハラ・ウグイス・メボソムシ・クイ・イカル

2003.6.8 <カッコウが鳴き、夏が来た>
2週間前にまだ蕾だったベニバナイチヤクソウが、ようやく花を開いてきた。
そして、レンゲツツジもたくさん蕾を付け、いくつか花も咲いている。
いよいよ夏が近づいてきたなと感じてきた時に「そうだよ、夏だよ。」と教えてくれたのはあのカッコウの声だった。

夜明け前にけたたましい声を挙げてテントの裏を通ったジュウイチに目を覚まされ、あまりのけたたましさに「何があったのかなあ?」と探してみたけれど結局声だけが行ってしまった。

すぐ近くでアカハラが2羽争うように騒いでいたと思ったら、今度はコルリが鳴き始め、声を延々と追っかけた。しかし結局姿を見られず、「まあ、昨日ちらっとでも姿を見せてくれたからいいか」と思っていたところ、遠くから「カッコウ、カッコウ」

こちらも遠くから声だけとはいえ、やっぱり初めての声。久しぶりに懐かしい友だちに会ったような気持ちになれた。

カッコウの仲間、ホトトギスの声も私は今回初めて聞いた。ほかの鳥たちも盛んに鳴き声を上げ、朝夕はまさに鳥たちのコーラスといった感じ。

木々の葉はますます茂ってきたので、姿はなかなか見られないが、セキレイの仲間たちは、地面に降りてくることもあるので比較的姿を見せてくれている。

キャンプ場で、6月7日・8日の2日間に見ることができた鳥は以下の通りだ。

キジバト・イワツバメ・キセキレイ・ビンズイ・コルリ・アカハラ・コガラ・シジュウカラ・ハシブトガラス

また、鳴き声だけ確認できた鳥は以下の通り。
ジュウイチ・カッコウ・ツツドリ・コゲラ・ウグイス・ヒガラ・イカル

地味とは言え、夏と言えばヨタカも鳴くのを期待しているのだが、まだ声が聞こえない。今度くる時にはヨタカの声が聞こえることを楽しみにしている。

2003.5.29  <ジュウイチはいつ寝るの?>
花が咲くのには意外と時間が必要なようだ。2週間前に、もうすぐにでも咲くのではないかと思ったベニバナイチヤクソウもマイヅルソウも、まだほとんど蕾だった。それでも、季節の移り変わりはしっかり感じられる。

今回の廻り目平では、ツマトリソウやツバメオモトが咲いているのにも会えた。花がたくさん咲くと言うことは、葉っぱも茂ると言うことで、鳥たちはますます声だけの存在になりつつある。
その典型がジュウイチだ。鳴き声はその名前通り「ジュウイチ!ジュウイチ!」と、まるで叫んでいるように甲高い。
あちらからこちらへ鳴き声は忙しく移動し、近づいてくるとその甲高さがますます増してくるのだが、その鳴き声をいくら追っかけても姿を見ることはできない。

身体の大きさは鳩以上もあるはずなのに……いったいどこを飛んでいるのだろう。それよりも、もっと不思議なのは、その鳴き声が、一日中といっても良いほど聞こえていることだ。さすがに真っ昼間には聞こえていないが、3時頃から鳴き声は聞こえてくる。そして、真夜中もふっと目が覚めると「ジュウイチ!ジュウイチ!」朝になるともう聞こえないだろうと思ったら大間違い。朝の散歩に出かける7時頃にも聞こえ、いや、朝食が終わった9時過ぎにもまだ聞こえている。本当にいつ寝ているんだろう?しっかりと会って聞いてみたい。

キャンプ場で、5月24日・25日の2日間に見ることができた鳥は以下の通りだ。

キジバト・ビンズイ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・ハシブトガラス

鳴き声だけ確認できた鳥は以下の通り。
コマドリ・ウグイス・ツツドリ・ジュウイチ・コガラ・ヒガラ

鳥の姿が見えないなあという私の気持ちが通じたのか、廻り目平から帰る時、村の中にある林の前に止まった時、林から聞こえた「ケッケッケッ」という声に引かれて林を眺めていると、そこに動くアカゲラを見つけることが出来た。木の根元の方をあっちこっちに飛び、さらに藪の中にまで降りているのがよく見えた。

そして、その近くの大きな車庫の中には、キセキレイが2羽いた。よく見ようと思うと、さっさと飛んでいってしまった。ツバメはそんな私に「こっちも見たら?」といわんばかりに頭の上を飛んでいた。鳥には鳥の事情がある。山の中で探している時だけ会えるというわけではないのだ。

2003.5.11  <ジュウイチがもう鳴いています>
5月10日、ジュウイチがもう鳴いています!

今年の季節の移り変わりは早い。連休の終わり頃咲き始めていたキャンプ場の桜はもう散って、すっかり葉っぱが伸びていた。
昨年はまだ見られなかったベニバナイチヤクソウやマイヅルソウの蕾がもう出始めていたり、シロバナエンレイソウの中には咲いているものもあった。

そんな季節の移り変わりの早さをさらに感じさせてくれたのがジュウイチの鳴き声だった。ジュウイチの鳴き声を初めて知ったのは7年くらい前の廻り目平、確か5月最終の週末だった。
それから後はこの声をいつ聞けるかなと毎年楽しみに待っていたが、記憶ではその年初めて声を聞くのが5月末から6月にかけてだったように思う。それに比べるとずいぶん速い鳴き始めだ。

10日、もう暗くなって19:00過ぎ、テントの下をクェックェックェッというような声を立てながら一羽の鳥が地面に沿って通過、そのすぐ後ジュウイチが、テント裏を鳴きながら飛んでいったのだ。

10日はそれ1回しか声を聴いていないが、11日の朝早く、また声を確認することが出来た。

キャンプ場で5月10日・11日の2日間に見ることができた鳥は以下の通りだ。

キジバト・コゲラ・セグロセキレイ・ビンズイ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・コ
ガラ・ヒガラ・ヤマガラ・ハシブトガラス

(初めて確認できたのはビンズイ・ヤマガラ)

鳴き声だけ確認できた鳥は以下の通り。
ウグイス・ツツドリ・ジュウイチ・アオゲラ・ホオジロ・カケス?かホシガラス?

近くで見ることができないと言われているコルリに今回も会えたのはうれしかった。
前回2度会えた場所に「会えるかなあ?」という気持ちで出かけてみたのだが、出会い方はやっぱり思いがけない形だった。林の奥に向かっていき、ふっと顔を左方向に向けると何か見える。なんと、上の斜面からコルリがこっちをのぞいているのだ。

なんだか「待っていたよ」という感じでうれしくなった。もちろん、私のそんな気持ちは無視したようにスタスタとこちらからは見えない方に歩いていったが、私はそれで満足だった。

今回は、鳥たちが地面に降りて餌を食べる様子も見ることができた。中でも、ルリビタキ、アカハラ、ヒガラ、ビンズイは、近くでじっと見ることができた。それぞれ、歩き方も餌の採り方も違っている。ルリビタキは、地面から少し上の木や切り株、テントの貼り綱などから、地面に飛び降りて餌をとり、少しだけ歩いてすぐ飛び立つ。

アカハラは、身体の大きさにあったゆったり感で歩き回っている。ヒガラは今、木の新芽を食べていることが多いが、時々地面にも降りてくる。とは言っても、せっかちなヒガラ、飛び降りて何かをちょこんとつまむとすぐにまた木の上に飛び上がる。ビンズイは頭を振りながら歩き回り、あっちでつつき、こっちでつつき、何かに驚くことがない限りは「ずっとこのまま歩き回りますよ。」という感じ。

連休の時と比べてずいぶん木の芽も伸びてきて、葉っぱも少しずつ増えてきた。その分鳥の姿を見つけるのも難しくなっている。「声はきこえど姿は見えず」という感じ。今回、声で確認できた以外にもたくさん不明な声があった。今度くる時にはもっと木の葉も茂っていることだろう。たとえ姿が見えなくても「ああ、あの鳥が鳴いているんだなあ」と姿を想像できると楽しいだろうなと思う。

2003.5.5  <5月の連休>
下界では桜の季節がとっくに過ぎ、もうそろそろツツジも花盛りという風になってきているが、廻り目平はまだまだ早春。
唐松もようやく芽吹き、桜の花も蕾を少しずつ開き始めたところ。鳥たちはそんな春の訪れを少しずつ感じ取って集まり始めている。

キャンプ場周辺で4月27日〜5月2日の間に見ることができた鳥は以下の通りだ。

コゲラ・アオジ・エナガ・ルリビタキ・アカハラ・コルリ・
キジバト・コガラ・ヒガラ

ウグイス・キセキレイ・カケス・ホシガラス・ホオジロ・
ハシブトガラス

そのほか、村の中や、隣の村では次のような鳥も見ることができた。

モズ・カワガラス・ツグミ・ノビタキ・ヒヨドリ・アオサギ

また、コゲラよりは大きな鳥と思われるドラミングも聞こえたが、その姿は見えなかった。

さて、朝はかなりの確率で鳥たちのさえずりによって目を覚まされた。丁度、日の出前の30分くらいさえずったと思ったら、日の出と共にいったん静まり、それから30分後くらいにまたさえずり始めるようだ。とは行っても、毎日というわけではなかった。

最も著しかったのが、前線の通った翌日5月1日の朝、この日は、霜柱が立ったほか、雨の残ったところで氷も張った日である。
この日は、アカハラもコルリもさえずらなかった。コルリは特に気温に敏感なのか、暖かだった4月28日、29日、5月2日にのみさえずりが聞こえた。といっても、私たちのテントサイトだけがコルリの住む場所ではないのだが。 コルリといえば、藪で活動する鳥なのでなかなか姿を見ることはできないという。ほんの2メートル前にコルリが歩くのを見ることができたのは、ラッキーだったというしかない。そして、そのさえずる姿を見ることができたのも、ラッキーだった。鳴き声はかなり複雑。

「ピーチュルピーチュルピー」 ・ 「ピーチーチーピーチーチーピー」 ・ 「ピュルルルルー」 ・ 「ピーチルチルチルチル」
の4種類くらいを混ぜて鳴くのである。この時期によく見られるのは巣作りの様子だ。
今回は、エナガが巣作りの材料を探す様子を見ることができた。八幡沢方面に向かう時に木の上で見つかった巣は何の巣なのだろうか?
そして、今年のものなのだろうか、それとも去年のものなのだろうか?

アカハラやホシガラスが地面で餌を食べる様子はまだあまり見られない。その代わりとでもいうように、ルリビタキがテントの周りにちょろちょろやってきた。いつも、この連休の時期にはたくさん見かけるルリビタキであるが、夏が近づいてくると見えなくなってくる。ただ、林の奥深くに潜むだけなのか、それとも、アカハラたちと入れ替わりのようになって、どこか、もっと高い山に登っていくのか。

ルリビタキは「ケッケッ」というような鳴き声をたてながら飛ぶ(図鑑には「ヒッヒッ」とあったが)ということが、今回よくわかってきたので、今度来た時にもその鳴き声に気をつけてみようと思う。そういえば、ホシガラスはこんな時期にいないと思いこんでいたが、5月1日、はっきりと認識することが出来た。

これから夏にかけて、このあたりは鳥たちの天国になる。今後が楽しみだ。